2015年5月20日水曜日

アースオーブン制作ワークショップ


粘土と砂と水にワラを混ぜた漆喰のような素材、コブ(cob)でオーブンを作るワークショップに参加しました。ずっと前から興味があっていつかうちの庭でも作りたいなと思っていたので、カレッジでのボランティアワークショップを偶然見つけたのはラッキー!

講師はバーンハードさんという、コブスカルプチャーのエキスパート。単にオーブンを形作るだけでなく、アート的な模様を入れたり、美しく仕上げる為のコツなども学べたのがとってもよかったです。

カレッジのラーニングガーデン(実験的で教育を踏まえた野菜畑)の真ん中に屋根が建てられていて、そこにすでに基礎が出来上がっていたオーブンがありました。



粘土、砂、水を混ぜる作業。手作業で混ぜる為にこうやってシートをうまく使ってます。


ざっくり混ざったら、足で踏み込みます。長靴がなければ、素足で!

 ワラを混ぜてよく混ぜます。

土台をミストで湿らせてから、コブを揉み込んでいきます。しっかり刷り込まないと剥がれてしまうので、手加減が慣れないと難しい。


木っ端を使って表面を慣らすとツヤっとしてきます。

最初の写真からの経過。

朝一からコブの乾燥を促すためにずっと空焚きしていたのですが、思いがけないことに早速ピザを焼きました!材料が揃ってないので、生地を広げるのはオリーブオイルのボトルで、焼くときにスライドさせるのはダンボールで、そして取り出すのはなんとノコギリ!笑


 いかにも制作者たちの賄いぽさを感じますね!
インスタントの生地にもかかわらず、秒速で焼きあがるのでクラストがバブリーで美味しかった!

この後、ドーム状のオーブンの上を飾るデザインを話し合い、制作が続きました。来週は仕上げにかかるので、また行きます。

アースオーブンの隣に位置するコブのベンチがとっても素敵。こちらもバーンハードさん講師の作品だそうです。屋根の多肉植物、雨水をタンクに貯められるようにしてる仕組みが素晴らしい!


バーンハードさんのウェブサイトに、今後のイベント情報が記載されています。
http://www.bernhardmasterson.com

2015年5月8日金曜日

橋の上渋滞


ポートランドは通称ブリッジタウンとも呼ばれるほど、市内の中心を流れるウィラメット川にたくさんの橋がかかり、ダウンタウンだけで5つもあります。そして全てデザインが違うのが特徴的。聞いた話では、大きな船が通りかかるための橋の開閉方式が、どのデザインがどう効率的か実験的に比べるためだとか。

そしてこちらの、ダウンタウン北側にかかるブロードウェイブリッジ。真ん中で左右に橋桁が開いてます。それによって車はもちろん、自転車レーンのある橋のため自転車も長〜い渋滞。一度これに捕まると、20分以上も足止めされます。こうなったら文句を言ってもしようがなく、ただ待つのみ。まあのんびりなポートランド、みんなやれやれって感じで隣の人とおしゃべりしながら待つのみという風潮。足止めされるタイミングは突然やってくるので、仕事や待ち合わせでダウンタウンに行き交う際は、時間に余裕を持って出かけましょうね。

メーデーのお祭り ーメイポールダンスー




メーデーというと、労働者たちのデモが都市部で行われるのが一般的ですが、メイポールダンスと言ってローマ時代から伝わるヨーロッパ由来のお祭りがあります。春先に作物の種が撒かれた後のこの季節に、これからの豊作を祈るというのが慣わし。アメリカでは見たことがない人もいるくらいあまり一般的なお祭りではないのですが、かれこれ14年間毎年やっているという家に招待され、参加してきました。


ポートランド市内としてはかなり広めの敷地で、広い芝生の真ん中に白樺の木(ポール)が横になっていて、それに願い事を書いた紙をくくりつけている人たちや、庭から摘んだ花で花冠を作る人たち、持ち寄ったご飯や飲み物で芝生の上に座っておしゃべりする人たちや、大きな古い楓の木によじ登る子供たち。
ゲストがたくさん集まり時間になると、大人の男性2人がポールを肩に担ぎ、家のオーナーが先導してその後を全員が連なり、ギターや打楽器、笛を吹きながら近くの商店街までパレード!



家に戻ってくると、芝生の真ん中に立てたポールの先から色とりどりのリボンを垂らし、そのリボンを手にして(伝統的には小さい女の子らしい)木を中心に左右にぐるぐる回ると、木にリボンが編まれるということ。そして下の方まで編まれると、リボンの持ち手を交代して逆に解いていくのがもっと大変。これ説明するのも少々ややこしいですが、実際参加してみるとさらにややこしい!笑
自分と逆に回っていく人、自分の上をいく人/下にいく人がどんどん流れていくので、何度も「アレ、あなたどっち?!」という状況になります。でもそれが面白かったなー。

わたしはこの日パーティ掛け持ちだったのでメイポールダンスの後には退散しましたが、このパーティは日が暮れた後は焚き火が始まり夜まで続き、くくりつけられた願い事の紙はまとめて火に葬られたそうです。さてこれで、今年のガーデンも豊作になりますように。







2015年5月1日金曜日

アメリカ的?バースデーパーティ

週一くらい頻繁に遊ぶ友達の子供の3歳誕生日パーティに参加しました。この3歳児が両親におねだりしたプレゼントはこれ。


オモチャの芝刈り機!パパが芝刈りするのをいつも楽しそうに眺めていたようです。ニセモノのガソリンタンクも付いているのでそこからチャージし、キーを回し、発電機によくある形の電源をひっぱると、グィ〜〜〜ンとまるで本当にエンジンがかかったような音が出るのが本格的。彼は嬉しさのあまり、日が暮れてもずーっとカタカタ鳴らしながら庭を走り回っていました。


お約束のカラフルケーキも。中身はチョコレートケーキで美味しくいただきました。

この日は雨が多かった4月には珍しい快晴で、気温は25度くらいまで上がりました。この日が今年初バーベキューという友達もちらほら。夏がとっても待ち遠しいな!

2015年4月14日火曜日

ポートランド地域名の由来

住所には記載されないけど、日常的に広く知れ渡っているポートランドの地域名。それにまつわる面白い記事を見つけたので、かいつまんで紹介します。


⚪︎パールディストリクト(Pearl District)

ダウンタウンの北側に位置し、オシャレなお店やギャラリー、年代物のアパートから高級マンション(コンドー)が立ち並ぶ地区です。本来工業地帯だったのが70年代にアーティストのスクワット(廃墟の倉庫に住み込んでアート活動をすること)から始まり、アーティストやディベロッパーたちによって今の様に発展しました。
パールの由来は2つあり、かつてギャラリーのオーナーがこの地区をオイスターから稀に見つかるパールみたいだと言ったこと(オイスターは西海岸の産物ですね)、彼の友人で貧しい人たちのために世界中から献金を募る活動をしているエチオピア人聖職者の名前がパールだったことも関係してるようです。


⚪︎アルファベットディストリクト(Alphabet District)

ノースウエスト全般の地域のことで、実際はパールディストリクトもこの中に含まれます。東西に走るバーンサイド(Burnside)が北と南の地域を分け、そこから北に向かってウィルソン(Wilson)までABC順に通り名が付いているので、土地勘が全くなくてもとても分かりやすい。他の主な地域名や通り名と同様に、著名人の名前が付けられています。ここぞポートランド的!なのが、アメリカ人にはドラえもん的に人気?のアニメ、シンプソンズの作者のマット・グローニング氏がポートランド出身なので、キャラクター名が幾つか引用されています。


⚪︎サニーサイド(Sunnyside)

ダウンタウンからほど近く、サウスイースト地区に位置し、ビクトリアン様式の大きくてカラフルな家が並ぶ住宅街です。前庭の植物も家によって様々で色とりどり、散歩するだけでとても楽しい地域。サニーサイドって素敵な名前ですが、雨が多くどんよりした日が多いポートランドで皮肉ったか、影の中の光を表現したかったかですね。


⚪︎モンタヴィラ(Montavilla)
サウスイースト地区のテイバー山(ダウンタウンが見渡せる小山で公園になっている)の先の地域で、1890年代には路面電車が通っていました。行き先の看板に、マウントテイバーヴィレッジを略して表記されていたのがマウントタヴィラ…それがいつの間にかモンタヴィラ。なんかこういう口頭伝承間違いみたいな、変化した地名、日本にもあった気がとてもするのですが、思い出せないな。

Streetcars running through Mount Tabor Village, as it was known in the 1890s, abbreviated it "Mt. Ta. Villa" on their destination signs. Later that became "Monta.Villa," which evidently had a nice ring to it because residents adopted it as the official name.


⚪︎ポーツマス/ポーツマウス(Portsmouth)

ノース地区でわたしの家の地域です。商店が幾つかあるケントンと北の端っこのセントジョーンズの間であるためあまり広く知れ渡っている地名ではないですが、ポーツマス通りを中心とした住宅街を指します。やはりわたしは歴史で習ったポーツマス条約がまず浮かんでしまいますね。こちらのポーツマスはニューハンプシャー州の都市ですが。
1880年代になんとポーツマス市にしようとする計画があったものの、失敗に終わったそう。ウィラメット川の港(port)がすぐそこで、かつては船で商業が発展していたのでPortlandのmouthだからPortsmouthと、なるほど納得なネーミングですね。


2015年4月12日日曜日

今一番クールな都市型農園!



アーバンファームコレクティブ(UFC)はポートランドのノースイースト地区を中心に2009年から始まった非営利団体で、現在は15ヶ所以上の住宅地の裏庭などに拡大して野菜や果物を育てています。そのガーデンで働く人・ウェブサイトなど事務仕事に携わる人は収穫された野菜を報酬として受け取れる、労働と物品交換システム(=バーター制度)で成り立っているんです。後で詳しく説明しますが、お金をほとんどかけずに運営できてる仕組みって、理想的すぎてスゴイ!

ガーデンはそれぞれ場所別にマネージャーが配属され、毎年葉物野菜だったり根菜だったり主要栽培のテーマが決められ、ガーデンのデザインや栽培方法はマネージャーごとのメソッドに基づいて持続可能な農法で進められます。ポートランドでは当たり前すぎてもはや強調することもない、化学農薬は使わず環境に配慮したオーガニック農法である事は基本中の基本。ガーデンは土に鉛が含まれていないか事前に検査されてもいます。コンポストを設けるのもルールのひとつで、雨水を活用したり、鶏やヤギを飼っているガーデンもあります。

去年の夏にPedalpaloonzaという自転車イベントの中で、ホームブリュー&ガーデンツアーというのに参加したのですが、内訳はUFCのガーデンツアーだったのでそれがそもそもUFCを知ったキッカケ(持ち寄った手作りビールを飲みかわしながら)。
これでもダウンタウンから車で5分ほどの、めっちゃ住宅地です


研究過程も概要の一部なので、マネージャーは工夫を凝らして実験してるのも面白い。あるガーデンではポートランドの動物園からゾウなど動物の排泄物を引き取り、それを堆肥にして去年はトマトが大豊作だったとか。動物の肥やしは窒素が豊富に含まれるので、トマト栽培にはもってこいだからなるほどな話。ガーデンベッドに蒔いてからしばらくはとてつもなくクサかったそうですが。。  
毎年こんな感じで冬の終わりに欲しい人に提供してるそう。荷台のついたトラックさえあれば、無料!興味ある方はどうぞ笑。Zoo Doo


コミュニティガーデンとの違いは、コミュニティガーデンは自分のスペースで自分で食べる野菜を育てるのに対し、UFCは近所のガーデンでご近所さんたちと一緒に野菜を育てるので、地域コミュニティの発展にも繋がりますね。


非営利ということで、ガーデンや労働力を限りなく金銭間のやり取りなしでやり繰りしているところがすごい。例えば、OSALTという農場を委託出来る組織から土地を無償で借り、持続可能な菜園の研究や教育の場として活用したり、建設業の見習生に授業の一部としてガーデンベッドや用具置き場を作ってもらうなど。うちの庭を提供します!って人には、使う分の土地の税金が控除され賠償責任保険に加入出来るという保証が付く。


わたしは今月からボランティアを始めました。場所はUFCとしては開拓中のポートランド北区。土地の所有者兼マネージャーは去年引っ越したばかりで、冬の間にコンクリートを剥がして菜園スペースを作ったそうです。この看板は先週立ったばかり。
黒い部分はチョークボード。近所の住民にアイキャッチ!

出来立てホヤホヤ、野菜やハーブを植えたばかりのベッド。夏には緑と色とりどりの花で景色が全く違うはず。


マネージャーは果樹のエキスパートで教育者でもあり、他のサスティナブルな組織とのコネクションも強く、学ぶことが豊富にあって話がとっても面白い。ガーデンベッドには葉物野菜とブロッコリーなどが植え替えられたばかりで、これから柿など果物の若い木を植え替えたり、雨水タンクに繋げるトイを付け替えたり、庭の一角の古いメープルの木にツリーハウスを作る計画もあるそう。受粉蜂のメイソンビーと蜂蜜が採れる蜂もこれから入手するそうで、初めてのことばかりでとっても楽しみ!

あると大重宝するグリーンハウス。粗大ゴミから拾ってきたそう。使えるものはなんでも直して使う!

ポートランドで鶏を飼うのは珍しくはない光景


2015年2月19日木曜日

ポートランド誌 無料アプリ

ウィラメットウィークというポートランドの週間フリー新聞があり、音楽・映画・食といったホットなカルチャーネタから政治経済に至るまで、幅広い分野の最新ローカル情報満載。マーキュリーという似た様なフリー新聞もあるのですが、そちらはカルチャー・芸能中心でわたしの贔屓はウィラメットウィーク。

留学当初から英語の勉強×今週のライブ探しに毎週欠かさず目を通しています。街のあちこちに新聞ボックスが設置されていて、トピック内容によっては貰おうと思ったら空っぽだったーということもたまにあり、家で確実にチェックできるのが無料アプリ。去年しばらく不具合がありましたが、今年1月にアップロードされて見やすくなりました。
毎週水曜日(日本時間で毎週水曜日から木曜日に日付が変わる頃)に更新されるので、ポートランドの一番ホットな情報、英語教材に載ってないようなローカルな英語の学習に、興味ある人は是非。

iTunesからダウンロードするか、こちらのリンクからどうぞ:
http://www.appjenny.com/iOS/App/460932755/wehaa.willametteweek

この表紙は前号のもの。今時のポートランドを愛する27の理由というタイトルで、実際ここ最近話題になっている事柄や、日本でポートランドブームになっていることも触れられてるし、ユーモアに富んでいて面白い。