2014年11月7日金曜日

オレゴン州の住民投票について

一年前の投票では反対者多数で否決だったオレゴン州の大麻合法化が、11月4日にとうとう可決されました。実際に施行されるのは来年の7月から。このサイトのニュースの見出しにもある、ワシントン州の銃規制の強化策が可決というのも、アメリカ内で先陣を切っていてこれからの展開に注目したいところ。

市民一人一人の意見が反映し多数決で法律が改正されるという、当たり前のことが当たり前に行われているアメリカのリベラルさには感心。

大麻の合法化のメリットは、警察が違法所持者の逮捕に労力とお金を浪費しないことや、そもそも麻薬というカテゴリでなく嗜好品という認識が広まっていることだったりする。その手の専門家の友達が、妊婦への心身安定に役立つことを力説していたことも印象的。
個人的には、合法になろうがなるまいが喫煙する成年/未成年の人口は変わらないよねという冷めた視点と、これからは大麻の植物としての可能性 ー 繊維や工業製品への関心が広まるようなニュースが聞きたいなと思うのでした。

オレゴン州の住民投票の項目でもうひとつ注目だったのが、GMO(遺伝子組換え作物)の表記化を義務付ける案で消費者に原材料の安全性を知る権利というのがポイント。賛成が49.7%、反対が50.3%という僅差で否決でした。
否決に重点がかかった要因は…
賛成に8ミリオンドル、反対に20ミリオンドルという歴史的な巨額を、大企業を中心に投票キャンペーンに投資されてCMや各家庭へのビラ配りなどに費やされたことや、レストラン/穀物が原料のビールなど飲料製品/家畜にGMO肥料が与えられててもその精肉も対象外であるため、可決されても全ての食品がGMO表記されるわけではなく徹底してないこと、
モンサントやペプシなど大企業の圧力的な反対派だけでなく、オーガニック農家やメディアも全てが賛成派でなかったのも理由の一つかと思います。
わたしもこの策にはニュートラルで、食品に遺伝子組み換え作物使ってますよ〜と表記化するよりは、現場通りオーガニック認定を広めた方が印象がよく消費者にとって選択しやすいと思うんですよねー。

2014年10月27日月曜日

世界ヒゲ選手権②

毎年開催地の変わる世界ヒゲ選手権が今年はポートランドで開催されました。
友達がはるばるマウイからやってきたので応援に。前日はマリオットホテルで参加者の登録会としてオープニングパーティ、当日のコンテスト、ポートランドの人気メタルバンドを迎えてのアフターパーティ、翌日日曜日はヒゲトーク中心のミーティングと、参加者は3日間にも渡って集う機会があるのはかなり大掛かり。
本番コンテストの3000人収容の会場は埋め尽くされ、300人ほどの参加者からトップの選出に5時間にも及ぶ長丁場。部門は大きく分けて口ヒゲ、部分ヒゲ、顎ヒゲの3つで、そこからさらにスタイル別だったりフリースタイルだったり総計18種類に分かれてます。

会場内の様子。まず入り口で出迎えられるのはヒゲのシーソー。



 




左から二番目の方はカーネルサンダースに扮してて、ステージに現れた瞬間に大盛況。


部門ごとに1位から3位まで選ばれ、トップになると来年の開催地、オーストリアのコンテストに参加するのに旅費を賄ってもらえるそう。

一張羅のスーツやマント、ピカピカに磨き上げられた革靴、それに合わせた帽子に杖など付属品まで綺麗にトータルコーディネートな方からファンタジーな騎士に扮した方まで、ハロウィンを先取りしたかなような、いやむしろそこらのハロウィンよりは完成度の高い衣装にまとった方ばかりで、しかヒゲって第一印象で一番目に付く部分でもあるから引き締まった感コーディネートの完成度が高まり、観客としてもとっても楽しませてもらいました。

個々の入賞者の写真がこちらの記事から見れます。

<11.16.2014追記>
前日のパレードからコンテストまで楽しくまとまってる映像はこちら

2014年10月7日火曜日

オレゴンキノコ協会のフィールドトリップ

西海岸の秋の味覚といえばキノコ!
ノースウエストアメリカの雨が多く暑すぎず寒すぎない気候と豊かな森林の恩恵で、ほぼ一年を通して様々な種類のキノコ狩りが出来ます。

秋にポートランド周辺で採れる代表的キノコといえば、シャンテレール。



こちらは先週マウントフッドの周辺で採ったもの。1kg近い、大豊作。
フルーティな香りが特徴で、食感はエリンギのようにコリっとしていて且つもっと品のある味わい。

今日はオレゴンマイコロジカルソサエティ/オレゴンキノコ協会主催のフィールドトリップに参加してきました。

この団体はポートランドを中心に活動していて、月一でのミーティング、フィールドトリップ、キャンプなどが主な内容。ミーティングは一般公開で、来場する人たちが近日に採ってきたキノコを持ち寄ると、キノコに詳しい方々が名前を鑑定してくれるのが嬉しいのと、テーブルに様々な種類のキノコが並んでとっても面白い。鑑定の後に大学教授レベルのキノコ・菌類学プロの方々のレクチャーもあるので勉強になります。

フィールドトリップは朝9時過ぎにポートランド中心から車で15分ほどのところで全員集合し、そこから車が連なって目的地へ。30分ほどでここぞという森にたどり着くと、みんなハイキングブーツにキノコを入れるバスケットなど装備し、散れ散れにいざキノコハンティング!このロケーションの一番の目的は、何と言ってもシャンテレール。

1時間ほど後に出発地点に収穫物を抱えた人たちが戻り、品評会。
テーブルの上にはシャンテレール以外の食用には適さないキノコを中心に、図鑑を見ながら鑑定中。こちらの主催者の男性が持っているのが、通称カリフラワーマッシュルームで相当美味しいらしい。


写真手前のなんだこれは?!な物体は、デッドマンズフットといって、立派な菌類。
ちなみに一部のキノコは染色にも適していて、これはゴールド〜茶系に染められるらしい。その隣にあるのが、デッドマンズフットを見つけた方がすぐ脇にあった永久に腐らない新種キノコだよーと冗談/皮肉交じりに置いた、ドリンクカップとストローのゴミ。


本日のわたしと旦那の収穫。シャンテレールがピッタリ1パウンド、450gくらい。フィールドトリップに集まった全員が十分に夕飯に味わえる量のシャンテレールを採った模様。


今夜はカルボナーラにして頂きました。風味が本当に素晴らしい。残りは朝食にクリームソースで和えてクレープで食べる予定。

次のキノコ狩りはマツタケが見つけられるように目を光らせてます。秋のキノコハイシーズンは10ー11月。この涼しい季節にハイキングがてら美味しいキノコが手に入るのは最高の行楽!


2014年9月25日木曜日

家庭ゴミから堆肥へのサイクル

Nature's Needsというコンポスト(堆肥)を作っている会社が家から車で30分くらいのところにあり、質が良い(=野菜が良く育つ)上に安いので、我が家のトラック出動で買いに行きました。




ポートランドの家庭ゴミは、一般ゴミ/リサイクル/コンポストと3種類に分かれています。前市長が環境問題対策に熱心で、2年前に毎週回収だった一般ゴミが2週間おきになり、代わりにコンポストが毎週回収されるようになったために、それ以降ポートランドの一般ゴミは4割減という結果をなしています。

話は戻って、Nature's Needsは家庭から回収されたコンポストゴミー落ち葉など庭から出る草木のゴミと食料残飯ーからコンポストに処理しています。要は粉砕して山にし、微生物が分解するのとそれで発生する熱で年月を重ねると土になるという行程。去年までレストランなど商業施設のコンポストゴミも一緒に処理していたそうですが、食料残飯は分解中に異臭が発生するので(特に肉など動物性たんぱく質)、住民の苦情により商業施設ゴミは廃止し、現在は家庭から回収されたゴミのみだそうです。

アメリカでコンポストやマルチを買うには、園芸店やスーパーで1 qubic feet ≒ 28リットルの袋入りか、大量になると1 qubic yardという単位になります。1ヤードは0.75mなので、1立方メートルの立方体よりひとまわり小さめの量。といっても細かく計量できるわけではないので、ショベルカーのショベル一杯分になるのが現状ですね。

そんなざっくり勘定なので、以前マルチを買いに行ったところより今回は大きめのショベルカーがやってきたので、ちょっと得した気分にもなりました。1 qubic yard あたり$20。通常1 qubic feet の袋入りが$10くらいなので、家庭菜園する人には遥かにお得ですね。

実際はこれくらい。黒っぽさが良質の証拠。土っぽいニオイがしますが、悪臭ではない。


それにしても、家庭ゴミから年月を経てコンポストになって庭に戻ってくるというサイクル、超理想的な現実で素晴らしい!

渡り鳥ショー

毎年9月になると、Swiftといって何千もの鳥が小学校の煙突に吸い込まれるように入っていく様子が見学できます。

Vauxという遠目ではツバメのような鳥で、通年は8000羽以上、今年は記録的な夏の暑さのせいか少なめで6400羽といわれていますが、いろいろな方向から集まってきた鳥たちが群れをなし、それがどんどん大きくなって最終的に煙突に飛び込んで行く、圧倒されるようなショーでした。水族館で見るイワシの大群みたいな感じですね。鳥の大群が煙突に近づくと、たまに鷲が現れて脅す様子が観客みんなで盛り上がる瞬間で、なんとも面白い。

場所が小学校なので家族連れが多く、子供達はみんなダンボールを持ち寄って丘の斜面をスライダー。大人たちは食べ物飲み物持ち寄って団欒の、大勢でピクニック気分なのも楽しい、夏の終わりを告げるイベントです。



2014年9月13日土曜日

東京でポートランドのビアフェス

Portland Brewers Oktoberfestが中目黒のバーで開催されるそうです。
ポートランドのクラフトビール4店舗が参加。IPAを中心にバリエーションあるセレクションじゃないでしょうか。
日本での海外ビールのビアフェスというと東ヨーロッパ系が多い気がするので、アメリカのビールがどう反響するか楽しみですね。

それにしてもかわいいポスター。富士山とマウントフッドが乾杯してるのかな〜。

2014年9月7日日曜日

自家製ビール持ち寄りパーティ

ポートランドは小都市ながらマイクロブルワリー(小規模ビール醸造所)/ブルーパブ数が全米でもトップレベルに多いのですが、家で趣味として自家製ビールを作る人たちもたくさんいます。
日本の法律はかなり厳しく家庭でアルコールを起こすことは現実的には違法で、梅酒を作るにもレシピには発酵しないように注意書きされるほどですね。

オレゴン州の自家製醸造酒の法律によると制限はこのようになっています。
・2人以上の家庭は年間200ガロン(757リットル)を超えてはならない(1人暮らしの場合は100ガロン以下)
・アルコール度数14%以上を超えてはならない

アメリカは州によって法律が異なるので詳しくはこちら

200ガロンというととてつもない数字ですがわかりやすく言うと、大抵一度に作るビールの量は5ガロン。毎週一回ビール作りをするとしたら12ヶ月で240ガロン。おっ、超えてしまった笑。でもビール作りってほぼ一日掛かりの作業なので、そうそう毎週作る人はいないと思います。頻繁な人で毎月一回か二回くらいなもの。なので妥当な量ですね。

アルコール度数で言うと、13%以下になるのは基本的にビール、果実酒(アップルサイダーなど)、ワインまでが合法的に家で作れますよってことですね。


さて、うちでは旦那がビールを作るのですが、いつも材料を手に入れるお店、ホームブリューエクスチェンジで品評会がありました。年に何回か開催され、昨日は3回目の参加。法律に沿ってチャージは取れないので参加費は無料。王道な種類からクリエイティブなビール、様々なアルコール飲料、そしてビールの親戚にもなり得る発酵食品やチーズなど菌類食品までたくさんの人たちが持ち寄りシェアしました。

およそ20種類くらいのアルコール飲料。テイスティングカップで片っ端から試飲






印象的だったのは、チェリーポーター(味わいよし)、マンゴービール(超フルーティ)、ブロンドコーヒースタウト(スタウトなのに透明でゴールドな仕上がり)、ピノノワールワイン、ムーンシャインという度数50%以上の蒸留酒、カルーア、バーリィワイン(大麦酒)、お店に隣接したところで作っているコンブチャ(紅茶キノコ)。

食べ物は自家製チーズ、ピクルス、ジャム、キムチ、わたしが持ち寄ったのはスペントグレイン(ビールを作った後の残りカスモルト)入りのクッキーと残ったビールイーストをリユーズしたパン。
写真下の赤いキムチ、紫キャベツや紫人参、ケールなどで作られていて辛味がマイルドに広がってとっても美味しく、作った方に聞くとハバネロ・ハラペーニョ・タイチリ入りだそうでしかも種まで入っているのに(種の辛さは特に危険)、作ってから5日ほど日が経ち発酵によって尖った辛味が落ち着いたんじゃないかとのことでした。わたしもキムチを作りますが白菜とコリアンホットペッパーで王道キムチしか知らなかったので目からウロコ!
写真には写っていませんが、お店のお客さんでもあるプレッツェルやさんがなんと20?もの顔のサイズほどもある熱々なプレッツェルを差し入れてくれたのですが、モチモチで塩っ気がいい塩梅であっという間にケースは空っぽ。ファーマーズマーケット中心店舗を出しているそうです。

お酒はどれも美味しく頂いて、たくさんの人と話して、軽く夕飯を食べてから行ったにもかかわらずいろいろつまみ食いが止まらなくて笑、とっても楽しいひとときでした。